日本語の翻訳に特化した大規模言語モデルPLaMo翻訳を発売
2025.05.27
株式会社Preferred Networks(本社:東京都、代表取締役 最高経営責任者:西川 徹、以下、PFN)は、PFNグループが日本語を入力・出力言語とするテキスト翻訳機能に特化してフルスクラッチ開発した大規模言語モデル(LLM) PLaMo™翻訳 を、オンプレミス製品として本日企業向けに発売しました。PLaMo翻訳は専用サイトで無償で試用することができ、年商10億円未満の企業や個人はダウンロードして商用・非商用問わずオンプレミス環境で無償利用することが可能です。
PLaMo翻訳は、PFNグループがフルスクラッチ開発する国産LLM「PLaMo」のモデルの1つとして、特に英文和訳および和文英訳の質と精度が海外のモデルと比較して高くなるよう、両言語を高い比率で含む独自のデータセットで学習を行いました。汎用のLLMはサイズが大きいため多くの場合クラウド利用が前提ですが、PLaMo翻訳は特化型でサイズがコンパクトかつ計算効率の高い設計のため、オンプレミスやローカル環境での利用も可能です。今後は、各社が自社サービスとPLaMo翻訳を連携可能にするAPIも開発する予定です。(PLaMo翻訳についての技術ブログはこちら)
PLaMo翻訳の主な特長
- 自然で流暢な翻訳結果
翻訳結果が自然な流れとなるように学習しているため、長い文章でも理解しやすい流暢な翻訳を生成します。また、最大英文8万字分の過去文脈を踏まえて翻訳するため、ですます調・である調などの文体の統一感や、語彙の一貫性が他社モデルと比較して高くなります。 - 原文に忠実な形式
会話文、ニュース記事、論文など原文の使われる状況を判断し、その状況に合わせた翻訳をします。また、原文のレイアウトやインデントを維持するので、コードやマークダウン記法を含むテキストも元の形式を損なわずに翻訳可能です。 - コンパクトなサイズ
翻訳特化型でモデルサイズがコンパクトなため、一定条件を満たせばPCのローカル環境でも動作可能で、機密性の高い文書も安心して翻訳することができます。オンプレミス環境でも計算資源への負荷が比較的低くなっています。
PLaMo翻訳の利用方法
- 専用サイトでの試用
PLaMo翻訳は専用サイトにインターネットでアクセスして無償で試用することができます。和英・英和は5,000文字まで、英語以外の言語は2,000文字まで対応しています。入力内容は今後のPLaMo翻訳の性能改善に利用されることがあります。 - オンプレミス環境での無償利用
直近事業年度の収入または売上が10億円未満の企業および個人は、PLaMoコミュニティライセンスのもとにHuggingFaceで本日公開したPLaMo翻訳のモデルをダウンロードし、商用・非商用にかかわらずオンプレミス環境で無償利用することができます。 - オンプレミス環境での有償利用
年商10億円以上の企業はPLaMo翻訳を購入し、カスタマイズしたモデルを利用することができます。導入の際はPFNがインテグレーションをサポートし、ユーザー企業の用途・要望に応じてPLaMo翻訳をカスタマイズします。(お問い合わせフォーム)
PLaMo翻訳の開発は、経済産業省及び国立研究開発法人新エネルギー‧産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する、国内の生成AIの開発力を強化するためのプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」第2期の支援を受けて実施しました。
国産大規模言語モデルPLaMo™について
PLaMo(プラモ)は、Preferred Networksグループがフルスクラッチで開発する国産の大規模言語モデル(LLM)です。独自に構築した日本語を豊富に含む高品質なデータセットで学習することで、世界最高クラスの日本語性能を実現しています。商用版のフラッグシップモデルPLaMo Prime、自動車や製造設備などのエッジデバイス向けに軽量化された小規模言語モデルPLaMo Lite、学術・研究用途の非商用ライセンスモデルPLaMo-100B‐Pretrained、日本の金融知識を追加学習した金融向けPLaMo-fin-base、日本語の翻訳に特化したPLaMo翻訳など、用途に合わせて提供中です。PLaMo 1.0 Primeはクラウド型API、Amazon Bedrock Marketplace、オンプレミスなどの提供形態があり、国産AI構築プラットフォームmiibo、法人向け生成AIサービスTachyon 生成AI、150以上の自治体が導入するQommonsAIなどのサービスに標準搭載されています。