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PFNの深層学習用スーパーコンピュータMN-3、 省電力性能ランキングGreen500で再び世界1位を獲得

ソフトウェアの改良とシステム最適化により、前回記録を14.05%更新する29.70Gflops/Wの超省電力性能を実現

2021.06.28

株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役 最高経営責任者:西川徹、プリファードネットワークス、以下、PFN)と国立大学法人神戸大学(本部:神戸市灘区、学長:藤澤正人、以下、神戸大学)は、 PFNのMN-3が、29.70 Gflops/W*1(1W・1秒あたり約297億回の演算)の省電力性能を実現し、本日(日本時間)発表された最新のスーパーコンピュータの省電力性能ランキングGreen500*2において、2020年6月に続く2度目の世界1位を獲得したことを発表します。これは、2020年11月のGreen500リストにおけるMN-3の記録26.04 Gflops/Wを14.05%上回るものです。

PFNの深層学習用スーパーコンピュータMN-3

PFNの深層学習用スーパーコンピュータMN-3

MN-3は、PFNと神戸大学が共同開発した超低消費電力の深層学習用プロセッサーMN-Core™を搭載し、PFNが構築した深層学習用スーパーコンピュータです。PFNは、2020年5月にMN-3の試験稼働を開始し、継続的にシステムの効率化、高性能化を目指してソフトウェア群の開発に取り組んできました。

今回の測定に使ったシステムは、MN-3全体のうち32ノード、MN-Core128個です。MN-Coreの演算性能をより効率的に引き出すためのソフトウェアの改良と、計算機システム全体の電力利用の効率化によって、前回に続き大きく性能が向上(計算能力で10.25%、電力効率で14.05%向上)しました。MN-3が初めてGreen500リストにランキングされた2020年6月の記録と比較すると、演算に利用しているMN-Coreは同一ですが、省電力性能は40.7%向上しています。これは、コンピュータシステムの電力最適化におけるソフトウェアの重要性を示しており、PFNが従来から得意とするソフトウェア技術によって、MN-CoreおよびMN-3の性能を最大限引き出した結果です。

PFNはHPL (High Performance Linpack) ベンチマークにおけるMN-3の性能向上と並行して、MN-Core専用コンパイラの開発など、MN-3を活用した、より実用的な深層学習のワークロードの高速化を進めています。ハードウェアとソフトウェアの両面から開発を進めることで、自動運転、ロボティクス、創薬をはじめとするPFNの様々な研究開発にMN-CoreおよびMN-3を活用していく予定です。

今回の測定に使ったシステム構成および演算性能は次の通りです:

 

https://www.top500.org/system/179806/
(リンク中のCores: 1,664の内訳はMN-Core 128個、Intel Xeon CPU 1,536個です。HPLベンチマークでは主にMN-Coreが演算を担当しています)

株式会社Preferred Networks 執行役員 計算基盤担当VP 土井裕介のコメント

「2020年6月に続き、Green500で再び1位を獲得できたことを大変うれしく思います。深層学習用プロセッサーとして開発したMN-Coreには、ソフトウェアの力でハードウェアの実力を最大限引き出す、という設計思想があります。今回の結果は、PFNのソフトウェア技術によりMN-Coreアーキテクチャが持つ極めて高いポテンシャルを引き出せた結果であると考えています。先日、深層学習向けコンパイラの開発を発表しましたが、今後、ハードウェアとソフトウェアの協調開発はますます重要になり、ここにPFNの強みがあると考えています。PFNは、今後もプロセッサーをはじめとする計算資源の拡充、ハードウェアの性能を最大限引き出すソフトウェア群の開発を通じて、深層学習技術の研究開発を積極的に行っていきます。」

(参考URL)
Green500リスト:https://www.top500.org/lists/green500/
TOP500:http://www.top500.org/
PFNのスーパーコンピュータについて:https://projects.preferred.jp/supercomputers/

*1:プログラム実行において、1Wの電力で実行できる浮動小数点演算回数(単位は1秒あたり10億演算)であり、省電力性能の目安となる。

*2:これからのスーパーコンピュータはエネルギー効率が最重要である、という見地から、2005 年に始まったプロジェクト。バージニア工科大学の Feng 教授を中心とするグループが 2007年11月から年 2回発表している。対象となるのはHPLベンチマークでTOP500 にランク入りしたシステムで、演算性能/消費電力比で順位が決まる。

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