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京都府の肺がん検診にPreferred Networks開発の胸部X線画像診断補助ツールを試験導入

医師の診断負荷と見落としリスクの低減効果を評価

2020.10.12

京都府、一般社団法人京都府医師会、株式会社NOBORI(本社:東京都港区、代表取締役:依田 佳久、 以下、NOBORI)、株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役 最高経営責任者:西川 徹、プリファードネットワークス、以下、PFN)は、今年度京都府で実施される肺がん検診で、深層学習技術を用いた胸部X線画像の診断補助ツールを試験導入することを発表しました。

本ツールは、京都府、京都府医師会およびNOBORIの協力のもとPFNが開発したもので、医師による画像診断前に肺がんなどの可能性がある異常陰影を自動検知して表示します。今回、本ツールを試験導入することで、医師の診断負荷および見落としリスクの低減効果を評価します。

深層学習を活用した画像解析で異常陰影を検知した場合のイメージ (開発中の画面で、実際に使用されるものとは異なる場合があります)

肺がん検診においては、比較的低コストかつ短時間で撮影できる胸部X線画像を用いることが一般的です。一方で、異常陰影の判定には専門的な知見と熟練が必要な上、読影件数も非常に多いことから、読影医の確保と診断負荷が課題になっています。さらに、ガイドライン*には見落としを防止するため2名以上の読影医による多重読影が示されています。

今回PFNが開発した診断補助ツールは、PFN独自の深層学習アルゴリズムを用い、実際の胸部X線画像による肺がんの診断データを多量に事前学習したモデルを使用します。検診者の画像をこのモデルで解析し、肺がんの可能性がある異常を検知した場合は画面上に対象部位を表示し、読影医の診断を支援します。従来の読影医2名による体制に変わりはなく、本ツールを用いて医師が最終的に診断します。検診の対象となるデータには、医療情報を匿名化して安全に保管・利用できるNOBORIのクラウドサービス「NOBORI」を使用します。

京都府は、肺がん検診において全国に先駆け2015年度に府内(京都市を除く)のデジタル化ならびに遠隔読影システムを導入、年間5万件以上のデジタル読影を実施しています。今後は、システム化の利点を活かし、本診断補助ツールの利活用によって更なる検診精度の向上に努めていきます。

京都府医師会は、肺がん検診等の京都府内住民検診の読影を担っています。読影医の高齢化が進む中、本診断補助ツールを活用することで、今後の検診読影を支えていただく若手医師の参加を促し、継続性の高い読影体制の構築、読影の質的な均てん化により、京都府民の健康増進に貢献します。

NOBORIは、全国約1,000の医療機関で利用されているクラウドPACSサービス「NOBORI」を提供しています。その中で培われた知見や技術を用い、京都府の受診者の方々の大切な医療情報を安心・安全な医療情報システム基盤で支えるとともに、PFNの本診断補助ツールが効率よく便利に肺がん検診の中で活用できるよう支援を継続してまいります。

PFNは、データサイエンティストのコミュニティであるKaggleと北米放射線学会が2018年に共催した胸部レントゲン画像の肺炎検出コンペティション「Kaggle RSNA Pneumonia Detection Challenge」で世界1,499チーム中6位に入賞した実績のある高度な画像解析技術を有しており、今回の診断補助ツールにもそのノウハウを活用しています。

*有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン:平成18年度 厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班

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