Preferred Networks

直接水冷方式高密度AIサーバをモジュール型データセンターへ実装し、超高効率AI計算基盤技術の研究開発を加速

株式会社Preferred Networks(代表取締役社長: 岡野原 大輔、以下、PFN)、株式会社インターネットイニシアティブ(代表取締役 社⻑執⾏役員: ⾕脇 康彦、以下、IIJ)、国⽴⼤学法⼈北陸先端科学技術⼤学院⼤学(学⻑: 寺野 稔、以下、JAIST)は、経済産業省、NEDO(国⽴研究開発法⼈新エネルギー・産業技術総合開発機構)の公募「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発(委託)」に共同提案して2023年に採択された「超⾼効率AI計算基盤の研究開発」において、2025年7月にIIJ松江データセンターパークで試験稼働を行った超高効率AIアクセラレータ・システムをアップグレードし、IIJの白井データセンターキャンパス(以下、白井DCC)に構築した直接水冷方式モジュール型データセンター(以下、AImod:エーアイモッド)で、2026年4月から本格稼働を開始します。本テストベッドにより、エネルギー効率や経済性を備えた大規模AI計算基盤のデータセンターレファレンスモデルを開発します。

AImod 外観

本テストベッドの検証の背景

Society5.0の到来を見据え、経済安全保障上の要請から高度なAI基盤を実現する国産のインフラ技術が求められています。また同時に、AIの需要拡大により見込まれるエネルギー消費の増大を受けて、エネルギー効率の向上による環境負荷の軽減も求められています。 

AI計算基盤を構成する要素技術には、AI向けの半導体(MN-Coreシリーズなど)や、多数のノードを結合するネットワーク、およびそれらを高密度に設置し冷却する技術などがあります。本テストベッドではこれらの要素技術を集約し、要素技術間の連携や相互運用性の確保を念頭に、実用を想定したAI計算基盤用データセンターのレファレンスモデルの開発を行います。具体的にはAImodの運用を通じて実用性を検証するとともに、省エネ指標の策定および評価を実施し、エネルギー消費の最適化とより環境負荷の小さいAI計算基盤の開発を目指します。

本テストベッドの検証概要

PFNおよびIIJは、実際のAIワークロードを用いてAI計算基盤としての効率性ならびに運用性の検証を進めます。また、JAISTとPFNは共同で⽔冷設備と⽔冷サーバとの協調動作(Software Defined Liquid Cooling Facility)によるデータセンターの資源割り当ての最適化と効率化に関する研究開発を⾏います。さらに、PFN、IIJ、JAISTが共同で、今後PFNが開発する次世代MN-Coreシリーズの⽔冷技術および⾼密度化の実証実験を⾏います。 

なお、今回開発したAImodは、実運用を通じ、水冷データセンターのレファレンスモデル開発と省エネ指標の策定および評価を実施したうえで、AI基盤構築を支援する知見を備えたファシリティソリューションとして提供する予定です。

AImodの特徴

  1. フリークーリング(*1)による高い環境性能
    - 設計pPUE(*2)
     1.1台(フリークーリングモード)
     1.2台(年間平均)
    - 設計WUE(*3)
     0 
  2. ブリードインポンプ(*4)による冷水温度可変供給
    省エネを目的としたサーバとの協調制御のため、供給水温を17度から45度超まで柔軟に調整可能とする機能を実装
  3. 水冷/空冷ハイブリッド冷却
    水冷:空冷=7:3をベースとし、サーバのGPU/ CPUは水冷で、それ以外の部分を空冷で冷却
  4. 三相4線400V給電による電力効率化
    従来の三相3線給電と比較し、コスト面や変圧損失低減でメリットが期待できる三相4線400Vでの給電

*1 フリークーリング:外気などの自然エネルギーを利用し、コンプレッサー等をできるだけ使わずに冷却する方式。
*2 PUE(Power Usage Effectiveness):データセンターのエネルギー利用効率を示す指標で、値が1に近いほどIT機器以外の装置による電力消費の割合が低いことを示します。pPUE(Partial PUE)はモジュール構造のデータセンターにおいて、そのモジュールごとのPUEを表すものとして用います。
*3 WUE(Water Usage Effectiveness):データセンターの水利用効率を表す指標。IT機器が消費した電力量(kWh)あたり、冷却用途で使用される水量(L)を測定した数値で、小さいほど水利用効率が高く、ゼロは冷却で水を消費しないことを意味します。クーリングタワーのように、水の気化熱を利用する空調方式では水を大量に消費しますが、本実証で使用するフリークーリングチラーは、水を蒸発させず、循環させて使用するためWUEはゼロとなります。
*4 ブリードインポンプ:サーバから戻る温水を一次側の冷温水と混合して再循環させるためのポンプ。

イメージ図

CDU (Coolant Distribution Unit): 直接水冷システムの
冷却水(クーラント)を循環・分配・制御する装置
In Row Cooling:サーバラックとラックの“列(Row)”の間に
冷却装置を設置する空調方式

PFN、IIJ、JAISTは、超省電力AIアクセラレータを活用した国産の大規模商用AI計算基盤の実現を目指し、本テストベッドにおける研究開発を進めていきます。

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