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TBS日曜劇場『GIFT』の背景映像に PFNの3DCG映像制作技術を実用化

AI技術を応用し多視点写真から現実空間を高精細3DCG化 自由な演出やカメラワークによる新たな映像表現に挑戦

株式会社TBSホールディングス(本社:東京都港区、代表取締役社長:阿部龍二郎)と株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岡野原大輔、以下PFN)は、2025年4月の資本業務提携以降、最先端技術を活用した新たな映像表現を実現するため、共創を深めてきました。このたび、2026年4月12日(日)に放送を開始したTBS日曜劇場『GIFT』(毎週日曜よる9時、主演:堤真一)の映像制作において、PFNが開発した三次元(3D)コンピュータ・グラフィクス(CG)映像制作技術を実用化しました。本技術による背景映像は第1話のほか、今後放送予定の複数シーンに活用されています。

PFNの3DCG映像制作技術で制作した背景映像を、人物撮影のカメラワークに合わせてリアルタイムで合成したモニターのプレビュー(TBS日曜劇場『GIFT』の撮影現場から)

本技術では、まず、背景にする現実空間のスチール写真を異なる視点で多数撮影します。次に、AI技術を応用した3Dガウシアン・スプラッティング (3D Gaussian splatting) *とよばれる最新技術を用い、多視点写真を元に実写映像に耐えうる高精細な3DCGを効率的に再構築することで、ポストプロダクションにおける柔軟な編集を可能にします。背景の撮影には標準的な一眼レフカメラのみがあれば良く、従来のように大規模な撮影設備を用意したり、多大なコストと時間をかけて3DCGを制作する必要がありません。

3DCG化したい現実空間で多視点写真を撮影
多視点写真を高精細3DCGに再構築

これにより、例えばグリーンバックを用いた人物撮影では、背景合成結果のプレビューをリアルタイムで見ながら自由なカメラワークで撮影することが可能となります。また、カメラワークと連動した背景映像を大型のLEDスクリーンに表示し、その前の人物を撮影する「インカメラVFX」とよばれる手法を用いれば、人物撮影と背景合成を同時に行うことができます。本技術は背景合成に留まらず、映像制作プロセスそのものを進化させる取り組みです。撮影前に高精細な空間設計を確定させることで、現場ではその空間を前提とした自由な演出やカメラワークが可能となり、事前設計と撮影を連動した新しいワークフローに挑戦することができます。

本技術を用いた背景合成には、映像やゲームの制作で世界的に利用されているUnreal Engine (UE)向けにPFNが開発した専用プラグイン(拡張機能)を利用しました。

日曜劇場『GIFT』では、体育館での車いすラグビーのシーンの一部で本技術とUEプラグインが使用されました。スタジオ内でキャストを撮影する際、本技術により再構築した体育館の内観の高精細3DCGを用いることで、自由なカメラワークによる車いすラグビーの激しいプレイシーンの臨場感を、キャストの安全や撮影環境に配慮して演出することができました。本技術とLEDスクリーンを利用したインカメラVFXも後話のシーンで使用されています。本技術の制作現場への実装および運用はTBSグループのTBSアクトが中心となって行いました。

TBSグループは、今後もAIをはじめとする先端テクノロジーを積極的に導入し、これまでにない革新的な映像表現に挑戦し続けます。また、PFNは今後も3DCG映像制作技術によるソリューションを映画、テレビドラマ、ゲーム、広告などさまざまなコンテンツの制作や、シミュレーション環境の構築などに活用していきます。

*3Dガウシアン・スプラッティング(3D Gaussian splatting): 現実空間を撮影した多視点のスチール写真をバーチャルな3D空間に無数に広がる色とりどりの楕円(ガウス分布)の飛沫(スプラット)の集まりとして再構築する技術。これにより、点群やポリゴンメッシュを用いた従来の3DCG再構築技術よりも現実世界の見た目に近い、滑らかで高精細な3DCGの背景を、自由なカメラアングルで再現・撮影することが可能となります。

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