PFN、デロイトと共同で、国土交通省のインフラ分野における 発注・審査業務を支援するAIエージェントの開発・検証を開始
『インフラ分野における業務プロセス全体の高度化・効率化に資するAI技術の検証 その2業務』を共同受託
株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岡野原大輔、以下、PFN)は、合同会社デロイト トーマツ(以下、デロイト トーマツ)と共同で、国土交通省『インフラ分野における業務プロセス全体の高度化・効率化に資するAI技術の検証 その2業務』において、インフラ分野の発注業務と技術提案審査業務を支援するAIエージェントの開発・検証に取り組みます。

■ 背景
国土交通省は、「インフラ分野におけるAI実装に向けた取組方針」において、インフラ整備管理関連の業務プロセスにおけるAI技術活用を積極的に推進する方針を打ち出しており、具体的な制度整備を進めています。
なかでも、発注業務において作成される図面・数量総括表・特記仕様書の3点組みは、別々の形式で作成・更新されるため、修正の反映漏れに起因する文書間の不整合が、公告後の質問・修正対応の大きな負荷となってきました。技術提案審査業務においても、業務実績や提案書の事実確認が、4月の発注集中期に現場の大きな負荷となっています。これらの課題は、調達業務を持つ多くの行政機関に共通する課題です。
■ 取り組み概要
本業務において、国土交通省からの業務知見・検証データの提供を受け、PFNは、図面・数量総括表・特記仕様書という異なる形式の発注文図書を横断的に解析し、整合性を検証するクロスモーダル整合性検証、および業務実績照合や評価観点ごとの提案書整理を通じて技術提案審査を支援するAIエージェントの開発・実証を行います。また、デロイト トーマツは、行政業務に関する知見を有しており、国土交通省の発注・審査実務に関する業務分析、判断基準の構造化、AI適用ユースケースの選定、業務フロー再設計、評価・ガバナンス設計、実装ロードマップ策定を担います。
国土交通省では、本業務を通じて設計・検証するAIエージェントのアーキテクチャ、処理フロー、評価設計等の基本設計に関する協調領域の設定を含め、得られた知見を行政機関や関連事業者に広く共有していくことを目指しています。
1.発注図書のクロスモーダル整合性検証
視覚言語モデル(VLM)と大規模言語モデル(LLM)を組み合わせ、発注図書を構成する図面(PDF等)・数量総括表(Excel)・特記仕様書(Word)という形式の異なる3種類の文書を横断的に解析し、相互の整合性を検証します。発注段階でAIエージェントが不整合を検出・候補提示することで、修正作業や質問対応の負荷低減を目指します。また、本業務を通じて開発・検証されるクロスモーダル整合性検証のためのAIエージェントは、図面・数量・仕様書を横断的に扱うインフラ・建設・設備分野への適用も検討していきます。
2.技術提案審査支援
技術提案審査業務における業務実績等の事実確認、入札要件と提案内容の照合、評価観点ごとの関連箇所の提示、公平審査のための企業名・個人名等のマスキング候補抽出など、審査担当者の事実確認や整理作業を支援するAIエージェントを開発します。評価そのものにはAIが介入せず、審査担当者が最終的な判断を行います。また、本業務を通じて開発・検証される技術提案審査支援のためのAIエージェントは、調達業務を持つ多くの行政機関に共通する課題に対する解決策として、省庁・地方自治体・独立行政法人などに展開することを検討していきます。
3.基本方針:Human-in-the-Loop(HITL)型のエージェント設計
開発するAIエージェントは、職員の判断を支援することを目的としたHITL型の構造を採用し、人が確認して判断する設計とします。AIの出力には根拠ページ・該当箇所・信頼度・要人確認フラグが付与され、公共実務で求められる正確性、監査性、説明責任を保ちながら業務の効率化を支援することを目指します。
PFNは2027年3月の業務完了に向け、デロイト トーマツと段階的に実証検証を進め、現場からのフィードバックを反映しながら、実務で利用可能なAI支援のあり方を具体化していきます。
※本リリースに記載した内容は現時点で想定している主要な検証領域であり、今後、国土交通省および関係者との協議を通じて段階的に具体化していく予定です。

